輪投げ ー 輪(リング)の投げ方の解説輪投げでの「輪(リング)」の投げ方各輪投げ協会の正式ルールによっては2m、5m、8.5m等があり、又、ジュニアやシニア用には距離を短くしている場合もあります。「輪(リング)」の投げ方は投輪ラインから投輪台までの距離によって最適なスタイルが影響を受けることがあります。 その理由は短い距離で入り易い投げ方が、長い距離から同じように投げてもピンに届かなかったり、強力な力を要する必要があって、 上手く行かない事があり、必ずしも一定ではなく、距離に応じたフォームで投げる必要が有ったりします。 輪投げに於ける三大投法投法について「日本ワナゲ協会」等によると次のような短い解説と図が記載されています。投げ方には下図の説明図のように「正面投げ(センターフリップ投法)」と「横投げ(サイドフリップ投法)」の2大投法について説明しております。 しかし、少し疑問が残ります。説明文では「正面投げ」=「アンダースロー投法」としていますが、リングをフリップさせない「正面投げ」の投げ方もあり、 又、「横投げ」はリングがスピンし易いが、フリップしない投法であるのと、「正面投げ」にもフリップさせない投法があり、 英語名に「フリップ」必ずしも使うのは適切でないと思います。*注3
編者注3:「正面投げ」と「横投げ」の分類は、投輪時のリングが投輪ライン上にあると「正面投げ」、投輪ライン上を外れていると「横投げ」と
又、次の図のように「平行に構えた場合」を2つに分けている解説している例もインターネットで見かけます。*注4決めているようで、私見ではあるが、むしろ投輪フォームで命名した方が分かり易いように思います。 日本に於ける野球での、オーバースロー、サイドスロー、アンダースローの3大投法の命名例のように、「正面投げ(Center throw)」、 「横投げ(Side throw)」と「振り子投げ(Pendulum swing throw)」の3タイプに分けて、当ページでは使っています。 横投げはリングをフリップさせない投げ方なので英語訳には 'flip' を入れておりません。 なお、Overthrow や Underthrow と云う英単語はありますが、’暴投’、’飛距離不足の投げ’の意味で、野球で使われているオーバースロー、 アンダースローは和製英語だそうで、英語ではsubmarineです。そのため、'アンダースロー' は使わず '振り子投げ' を採用しています。 ボーリングの投げ方に似ておりますが、ボーリングでは Pendulum arm swing と呼んでおります。
編者注4:「日本ワナゲ協会」の「正面投げ(センターフリップ投法)」図は当解説では、
「正面投げ」を二つの投法 'Center throw'と'Center flip throw' に分けているため「平行に構えた場合2」は 「振り子投げ(Pendulum swing throw)」にしております。 この正面投げはリングをフリップさせない投げ方なので英語訳には 'flip' を入れておりません。 編者注5:「垂直に構えた場合」、「平行に構えた場合」、「平行に構えた場合2」は編者解説では、 「横投げ(Side throw)」、「正面投げ(Center throw)」、「振り子投げ(Pendulum swing throw, 又はCenter flip throw)」としています。 横投げ及び正面投げではリングをフリップさせない投げ方なので英語訳には 'flip' を入れておりません。 なお、この図では「足の構え」や「体の向き」から横・平面と呼んでいるようですが、どの投げ方も「足の構え」は利き足を前にしたり、 両足を揃えたり、横並び(Square)と自由です。 リングを投げだす腕の振り方が重要で投輪フォームの命名もそれを基にしております。 輪投げ投法に於ける長所・短所について輪投げに於ける3大投法、「振り子投げ(Pendulum swing throw)」、「正面投げ(Center throw)」、「横投げ(Side throw)」には、それぞれ長所と短所があります。 自分の技能、体力、投法の利点・欠点を考慮して最適な方法を見つけ出してください。細かくはそれぞれの投法にも、足・体の向き・構え、膝の使い方、リングの水平・垂直回転の抑止、リングの飛行放物線の高度、スピンの有無、リングの握り方、 リングの輪投げ台の傾斜度に合わせた落下面の投輪(必ずしも水平ではない)、投輪フィニッシュ時の肘・手のひらの位置・向き(握手型・上向き・下向き)、 手首の使い方等、練習により自分に最適な方法をマスターする必要があります。 ■ 振り子投げ(Pendulum swing throw): この投輪方法での長所は、正面投げと同様リングが投輪ライン上にあり飛距離だけのコントロールで良い事と、振り子の状態からリリーズされるため体力を使わず軽く投げれることです。 短所としては、リングが飛行中 '垂直スピン(flip)' が起きることです。落下時のリングの面を水平になるようにコントロールすることは難しくなります。落下時リングが垂直であれば距離が正しくともピンに入る確率はゼロです。 平均値を取ればフリップ無しの場合の成功率の半分になります。 上級者でなければフリップしないで投げるにはこの投法では容易ではありませんが、出来るだけフリップの少ない方法で投げるよう工夫して下さい。 (ヒント: リングのグリップの仕方である程度フリップをコントロール出来ます。親指を使わず4本指だけでリングをぶら下げた状態で投げるとフリップが起きてしまいますので、親指を使ったグリップでフリップを抑える工夫して下さい。) 後もう一つの短所はリングがフリップしながら落下するため、弾力性のある材質で出来ているリングは落下時 水平でないと'跳ね返り' を起こします。折角ピンに入っても飛び出てしまうこともあります。 ■ 正面投げ(Center throw): この投輪方法での長所は、リングが投輪ライン上にあり飛距離だけのコントロールで良い事と、リングを水平面(厳密には傾斜の投輪台面に水平になるよう、20°)を維持したまま投げれる事です。 短所としては、リングのリリーズ迄のストローク距離が短いので遠くに投げるには体力がいることです。 腕だけで投げず、膝を使って体全体で軽く投げるのが良いようです。 ■ 横投げ(Side throw): フライニング ディスク(フリスビー)の 'Backhand throw' のような投げ方で、フリスビーでは人差し指をリングに添える 'Classic grip' と添えない 'Power grip' がありますが、参考になるかも知れません。 長所はリングが地平面に対してリリーズ時の状態を維持して飛ばす事ができます。又、リリーズ迄のストローク距離が長くとれるので遠くに投げるに適しています。 フリスビーでは水平一直線に投げますが、輪投げではピン上に落下するように放物線状に投げる必要から初心者の中にはリングを45度程傾けて引き上げるようにしてリリーズする人がいますが、 リングは常に地面に平行のまま(正確には20°だが)で引き上げるようにして下さい。45度の傾斜があるとリングの落下有効面積が半分になり、成功率も半分に減ってしまいます。 短所は投輪ラインが斜めになるためコントロールが少し難しくなります。水平面のスピンはかけ安い投げ方ですが、これにも長所・短所があり初心者はスピンをかけると飛方向のコントロールが 難しくなりやすい。上級者にはスピンによる遠心力を利用してリングの飛行面を安定させる効果を狙う人もいます。 輪投げでの「輪(リング)」の投げ方の例「輪(リング)」の投げ方は投輪ラインから投輪台までの距離によって最適なスタイルが影響を受けることがあります。その理由は短い距離で入り易い投げ方が、長い距離から同じように投げてもピンに届かなかったり、強力な力を要する必要があって、 上手く行かない事があり、距離に応じたフォームで投げる必要が有ったりします。 ■ 投輪距離2メートル日本ワナゲ協会の公式ルールに使われる2mの距離に適した場合の模範を亀井千春さんの例で見てみましょう。(協会指定の公式セットを使っておりませんが)国際輪投げ協会ルールで子供向けの短距離(ジュニアルール)3mにも応用出来ると思います。 但し、国際輪投げ協会での正式投輪距離は5mですので、2m/3mの短距離の場合の参考になるかと思います。 輪投げのコツ-亀井千春さん (中日新聞デジタル編集部) 次の例は、短距離投輪の特性を活かして、この方は手のひら投げでパーフェクト達成しています。 この方は「振り子投げ(Pendulum swing throw)」スタイルで投げておりますが、投輪距離(2m)が短いためリングを手で握らず手のひらに載せ、 振り子投げで起きやすいリングの回転(フリップ)を抑えて投げております。ピン1からピン9まで順番に入れパーフェクトを達成しております。 リングを手のひら載せてフリップを抑えた振り子投げ(Pendulum swing throwの変化形) 日本ワナゲ協会用具使用-2mの投輪(りゅうこうせい) 正面投げと横投げの中間投げ(Center throw/Side throw) この方は「正面投げ(Center throw)」に近い「横投げ(Side throw)」で投げています。 足は両足揃えていますが、膝を使っているので軽く投げても飛距離が出ています。(日本ワナゲ協会用具使用-2mの投輪) ■ 投輪距離5メートル次に、輪投げ大会で一般的に行われている、5mの距離の投輪の場合をインターネット上の輪投げ大会から拾ったもの二例を見てみましょう。国際輪投げ協会の道具とルールで行われており、この選手は、三大投法の一つ「振り子投げ(Pendulum swing throw)」で投げております。 南八幡地区長寿会輪投げ大会 (高山高山) 輪投げクラブ活動の盛んな品川区の大会の例を取り上げて見ましょう。国際輪投げ協会の道具とルール(5mの投輪距離)で行われております。 登場する選手の投法は色々ですが、概して「正面投げ(Center throw)」を行っている選手が多いように見れます。 しかし同じ「正面投げ」でも、選手ごとに微妙に違っていることが分かります。各自、自分に合った投輪スタイルを編み出しているのでしょう。 品高連輪投げ大会 (わ!しながわニュース) この方は「横投げ(Side throw)」で投げていますが、手首を使って水平にスピンをかけています。 (国際輪投げ協会用具使用 - IKIIKI) ■ 投輪距離8.5メートル最後に、輪投げ発祥の地の神戸で行われている、8.5mの長距離投輪の場合の模範を植松計邑さんの例で見てみましょう。神戸投輪連盟の道具とルールで行われております。投輪スタイルは植松さんの長年の経験から生み出した「正面投げ(Center throw)」です。 投輪への誘い-植松計邑さん (神戸市広報) 兵庫県投輪連盟知事杯争奪都市対抗投輪大会の様子です。 (兵庫県投輪連盟) 「名人」の投輪スタイルの研究名人と云われる人の投輪フォームを参考にさせて頂き、ポイントとなるようなところを拙者なりに整理してみました。参考にさせて頂きましたのは、投輪の大会で数々のタイトルを獲得されておられる植松計邑さんの投輪スタイルです。 投輪方法は 'Center Throw' (正面投げ)を用いられています。 (兵庫県投輪連盟用具使用-8.5mの投輪 - 神戸市広報) |