木曽左衛門のつれづれ草

輪投げー日本・諸外国の歴史


輪投げ

輪投げの歴史

輪投げはウィキペディア(Wikipedia)によりますと次のように書かれています。注1

投輪(とうりん)は、大正の頃に神戸港に入港する船上で行われたのを始まりとするスポーツです。
8.5メートル手前から、9本のゴム製の輪を投輪専用の台に向かって投げる。投輪専用の台には、ピンが9本あり、ピンには1から9までの数字がつけられている。輪の重さは180グラムです。
競技は、投げ込み・シングル・ダブルの3種類。「投げ込み」は輪が入ったピンの数字の合計が得点となる。「シングル」はピンの数字の合計が得点となるが、一つのピンに2本の輪が入ってしまうと失格となる。 そのため9本全部を投げずに、途中でやめることもできる。「ダブル」は輪が2本入ったピンの数字のみを合計して得点とする。こちらは、一つのピンに3本の輪が入ってしまうと失格となる。 そのため、シングル同様に途中でやめることもできる。
神戸市を中心に競技が行われている。神戸投輪連盟と神戸市スポーツ教育協会による大会が、王子スポーツセンターで年数回開催されており、毎年6月辺りに知事杯、10月辺りに市長杯が開催されている。

  編者注1:ウィキペディアは「神戸投輪連盟」ルールについてのみ書かれていて、現在日本で一般的に行われている「日本ワナゲ協会」や「国際輪投げ協会」のルールとは少し違いがあります。

日本の輪投げの発生の起源とされている甲板上の輪投げです。

History of Quoits in Kobe

(Kobe Rokko - NHK World Japan)


      輪投げ  輪投げ
         1815年の絵画に描かれた「Game of ringtoss」の図         1843年の「Newcastle Miners playing Quoits」の図

海外での輪投げ事情

輪投げ
日本での輪投げの始まりは、遠洋航海をする船乗り達が船上ではあまり運動をする機会がないため、甲板上で運動を兼ねて輪投げをして楽しんいる外国船員達の姿を見て、 神戸に上陸する日本人船員達によって日本にもたされたようで、発祥はヨーロッパ(イギリス?)のようです。
しかし、輪投げの起源は古くはギリシャ時代やローマ時代に遡ります。

「輪投げ」は英語では「Quoits」、「Ring Toss」、或いは「Hoopla」と呼ばれておりますが、日本で一般的な投輪用の台に9ピンのスタイルのものはあまり見かけ無いようで、 日本に近いものとしては幅の狭い板を十字にクロスさせたものに、板の先端とクロスの中心に計5本のピンを挿したものが使われているようです。輪は縄をリング状にしたものが多い。
但しこのタイプの輪投げは余興などに使われるのが主で、公式なスポーツ大会などはないように思われます。

 本物の蹄鉄
輪投げ
 試合用蹄鉄
輪投げ
 鉄リング
輪投げ
 鉄リング(小)
輪投げ


欧米で「輪投げ」と言えば古くから「Horseshoes」か「Iron Ring Quoits」を指すくらい有名で、愛好クラブなどの競技会が行われるのはこちらの方です。
米NHPA(National Horseshoe Pitchers Association)傘下には1,500万人以上の人が競技会などを行っているそうです。一説に米国だけで3,000万人の愛好者がいると言われております。
「Horseshoes」は文字通り馬の蹄鉄を使って投げるもので、蹄鉄(本物の蹄鉄や蹄鉄状の金属製品)はリング状ではなくU-字型をしており、重量があります。 又、「Iron Ring」は鋳鉄/スティールで出来ており重さのあるリング状をしております。リングは平べったくなくドーナツを水平に輪切りしたような形をしております。主に英国で行われています。
これらは地面上に設けられた一本のピン(Stake)に向かって投げ、必ずしもピンに入らなくても、決められた距離内に入ったり、ピンに近い方が得点になるなど独特の得点方式が決められております。
競技は普通2人(Singles)、又は4人(Doubles)で行われ、2投ずつ交互で投げる。投輪後リングを回収する手間を省くためピン(Stake)はコース両端に設けられており、相手と向き合って投げ、 リングを相手と共有で使用する。男子はピン(Stake)まで37feet(12m)の位置にファウルラインが、女子用には普通27feet(9m)にセカンド ファウルラインが設けられている。
ゲームは21点を先に取った方が勝ちとなり、1セットが終了となります。


米国に於ける horseshoe pitching の歴史をこちらに説明しておりますので興味のある方は参照ください。
なお次のビデオは米国の輪投げ(Horseshoes)の投げ方を紹介しております。

Horseshoes pitching in USA

(Skagit Valley Horseshoe Club)

英国に於けるの輪投げ(Iron ring Quoits)の歴史をNQAのCharlie Walker氏が紹介しています。興味のある方はこちら参照ください。
英国の輪投げ(Iron ring Quoits)の例です。

Quoits - a traditional game in England

(LeedsLocalTelevision)

日本での輪投げ事情

輪投げ輪投げ
先にも触れたように日本では大正の頃に神戸港に入港する船により広まったのだが、現在「日本ワナゲ協会」や、「国際輪投げ協会」、「神戸投輪連盟」等が普及に務めており、 それぞれの協会により多少の輪投げセットの規格や適用するルールに違いがありますが、輪投げ盤上に9本のピンを設け、投げたリングが入ったピンに振られた数字の合計で得点とする方式を取っており、基本的には同じです。
左右の挿絵で分かるように、左が「日本ワナゲ協会」の、右が「国際輪投げ協会」が標準としている輪投げセットですが、ピン番号の付け方やリングのカラーの振り方とその個数、リングの直径・重さ・材質等も微妙に差異があります。

協会が「日本」や「国際」と謳っているが、外国で日本の輪投げセットが普及している訳でもないと思うので、余り言葉に意味はないと思われます。
しかし、東老連や傘下の区・市老連の大会では「国際輪投げ協会」指定の道具およびルールが適用されており、競技会を目指している方は、どの競技会なのかを考慮する必要があるかと思います。
当方の印象では、「日本ワナゲ協会」は万人向き親しみ易さ・娯楽性に重きを置いており、「国際輪投げ協会」は技能・スポーツ性に重きを置いているように感じます。
又、「兵庫県、神戸投輪連盟」は8.5mの長い投輪距離や、独特の投げ込み・シングル・ダブルの3得点方式をセットにした競技など、競技スポーツに重きを置いております。


日本の輪投げの例です。

品高連輪投げ大会

(わ!しながわニュース)


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